認知症者への基本対応
- 受容(否定しない、認知症者の世界観を受け入れる)
- 傾聴(自分のききたいことではなく、相手が話したいことを聞き出す)
- 怒らない(自己覚知によるアンガーマネジメントで対策)
トイレ以外の場所で排泄事例:
男性75歳のAさんはグループホームに入居して1か月になります。
夜間トイレにはいかずいつも部屋の洗面台もしくは、その下の小さなゴミ箱におしっこをされます。
家にいたころは、就寝してから起床するまで3回ほどトイレへ行かれていたそうです。
1時間ごとに部屋へ見回りをするのですが、対応が間に合わずパジャマのズボンに尿がかかって汚れ、床も排尿が飛び散り汚れている状態です。
トイレ以外の場所で排泄する原因:
・環境の変化
慣れていた実家とはトイレの配置が異なる為、脳が新しい環境に対応ができていない
・認知症による見当識障害
トイレの場所がわからない
ゴミ箱をトイレと認識している
ご自分の希望や意見を表現できない
※見当識障害とは時間・月日・場所・人の区別や判断ができなくなること
トイレ以外の場所で排泄しない対応:
排泄の失敗は本人にとって、大変なショックです。本人の羞恥心に配慮した、プライドを傷つけないような気遣いが大切です。
また汚れた下着をタンスに隠している場合は、隠したこと自体を忘れているので、そっと片付けておきましょう。
また、汚れたズボンの交換や床の掃除はこまめに行い、部屋の中におしっこの臭いがこびりつかないようにします。
トイレの場所が分からないときは、トイレのドアに「トイレ」と張り紙をしたり、自室からトイレまで道順を示してみるのも良いでしょう。
発語が苦手な方はトイレに行きたいというサインを見逃さないようにします。
急に立ち上がったり、ズボンの前側を触ったりすると、「おしっこですか?」「トイレへ行きますか?」とそっと聞いてみてください。
夜間にトイレの失敗が多いときは、暗いところへは行きたがらないことが多いため、トイレまでの道順を明るくするのも良いです。
ドアを少し開けて廊下の明かりが入るようにしたり、もし、ベットが部屋の奥にあるのなら、ドアの近くに移動してみましょう。スタッフが起きたのを確認しやすくなります。
認知症対応のポイント:
・掃除をしやすい工夫
24時間見守ることは困難ですので、被害を最小限に抑えれるように頻繁に汚される場所を中心に工夫してみてはいかがでしょうか?
壁にビニールシートや保護シートを貼り付ける
畳の部屋には取り外し可能なマットもしくはフローリングを敷く
・夜間のトイレへの導線を分かりやすくする。
ベットの配置
適度な明るさを確保
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