排尿での健康チェック
おしっこに行きたくなるタイミングって自分で制御できませんよね。
膀胱に約300mlの尿が貯まることで脳に信号を送るのですが、この尿意がいつ来るのか分かりません。
”夜寝る前”と”朝起きた後”にトイレでおしっこをする人は多いのではないでしょうか?
私にとってこの2つのタイミングは習慣化しており毎日欠かさず行っています。
そして、朝のタイミングで必ずチェックしていることがあります。
もう、無意識と言ってもいいのですがおしっこの色と臭いを気にしています。
「今日は色が濃いな」「今日は臭いがきついな」「水分が足りてないのかな」「ビタミンのとりすぎかな」などと、脳が自動的に判断して教えてくれます。
色から分かる健康状態
無色のおしっこ
最大の原因は大量に水分を摂取したことが上げられます。
おしっこの色が薄まった状態で排泄されているのです。
あるいは尿崩症もしくは下垂体に異常があり利尿ホルモンの分泌バランスに支障が出てきてしまい排尿に歯止めが利かなくなり膀胱に貯まることなく排出されます。
対処法としては、大量に水分を飲んだ場合は心配ありません。
例えばビールを5杯飲んだ後の尿は無色に近くなります。
尿崩症の疑いがある場合は内科を受診してみてください。
乳白色のおしっこ
尿が白濁して膿が混じる場合があります。
多くの場合は尿路感染や膀胱炎の可能性が高く発熱などの併発も考えられます。
淋病などの尿道炎や尿蛋白の異常も疑いましょう。
対処法としては、膀胱炎や尿道炎の場合は泌尿器科を受診してください。
おそらく抗生物質や抗菌薬を服用することになるでしょう。
膀胱炎の予防はトイレを我慢しないようにすることです。
膀胱内におしっこを貯めることは悪い細菌を貯めることです。
悪いものは身体の外に排出しましょう。
またおなかを冷やさないようにして下さい。
黄色のおしっこ
淡い黄色のおしっこは健康な人の新鮮なおしっこです。
ビタミンB2錠を服用している場合は尿の色が蛍光色の黄色や濃くなることがあります。
対処法としては、透き通った淡い黄色ならば極めて正常で健康な状態です。
黄褐色やオレンジ色がかっていなければ色に関しては特に心配する必要はありません。
黄褐色のおしっこ
大量に発汗した後の脱水状態や胆石症などで黄疸があると尿中にピリルビンが大量に含まれ黄褐色になることがあります。
対処法としては、スポーツをした時など大量に汗をかいて脱水状態になっている場合は水分補給をしてください。
黄疸の場合は内科での受診をお勧めします。
赤褐色のおしっこ
下剤などの薬や赤色の色素を含んだ飲食物を摂取していると赤くなることはあります。
またおしっこに血液が混じっている場合は腎臓もしくは尿路の病気が考えられます。
対処法としては、薬や飲食物の場合は心配ありませんが血尿は重大な病気の症状ですので速やかに内科もしくは泌尿器科を受診してください。
特に男性は尿管結石の疑いが大きいです。
青緑色のおしっこ
緑膿菌に感染した場合は膀胱炎でも治りにくいので早めに泌尿器科を受診しましょう。
抵抗力の落ちた人や排尿障害のある老人は感染しやすくなります。
また麻酔薬や漢方を飲んだ後に緑色になることがあります。
対処法としては、衛生的に清潔を保つことが重要です。
免疫のある食べ物を食べるなど病気にならないための工夫をしましょう。
また麻酔薬などの服用後は一時的なものなので心配いりません。
ニオイから分かる健康状態
そもそも排尿の役割とは体の中の不要な物質を体外に排出することです。
腎臓で血液がろ過されたものが尿になるのですがその際、飲食物に含まれている香料の中に体内で分解・吸収できないものがあります。
それが尿に含まれて外に出てきているだけなのです。
ですのでおしっこがくさいけど食べたものと同じようなニオイの時はほとんどの場合問題ありません。
尿にニオイが出やすいものとしてコーヒー、カレー、ニンニク、ニラ、アスパラガスなどがあります。
気を付けなければいけないのはアンモニア臭が強いや甘酸っぱい臭いがしたときです。
通常、健康な人の尿の匂いは軽いアンモニア臭がする程度です。
さほど気にはなりません。
しかし水分不足や偏った食生活をしてしまった時、あるいは何らかの病気の可能性がある場合、排尿時に気になるニオイが発生することがあります。
アンモニア臭のおしっこ
尿は腎臓から尿管、膀胱、尿道を通って排泄されますが、そのどこかが細菌に感染している可能性があり、腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎などの病気が考えられます。
甘酸っぱい臭いのおしっこ
尿中にケトン体があふれ出ている可能性があります。
ケトン体とは脂肪の分解により肝臓でつくられて血液中に放出されるアセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸の総称です。
このうちアセトンが甘酸っぱいにおいの原因です。
糖質不足や激しい運動後、糖尿病の人はケトン体が大量に生成されることがあります。
健康な人はほとんど問題ありませんがインスリン作用に異常がある糖尿病の人はケトアシドーシス(酸性血症)を来すことがあり生命の危険があります。
また、過度なダイエットによる栄養失調や脱水症状でもみられることがあります。
腐った臭いのおしっこ
白血球と細菌が戦った残骸である膿が混じって腐ったような臭いがしたり、白濁色になることがあります。
尿道から腎臓の間で何らかの原因が発生している可能性があり膀胱炎や尿路感染を疑います。
ネズミの尿の臭いのするフェニルケトン尿症
アミノ酸の一種であるフェニルアラニンを代謝できずに体内に蓄積してしまう遺伝性の病気です。
症状として生後まもなくで発症し皮膚は白く髪の毛は赤茶色になり、運動や知能の遅れを併発します。
尿だけではなく体臭もネズミの尿の臭いがするのが特徴です。
メープルシロップ尿症
アミノ酸の一種であるロイシン、イソロイシン、バリンを代謝できずに体内に蓄積してしまう遺伝性の病気です。
症状として知能の遅れがみられます。
尿や汗からはメープルシロップの臭いがするのが特徴です。
尿蛋白
尿が泡立つおしっこ
おしっこをして泡立つこと自体は普通で問題ではありませんが大きな問題となるのは排尿直後の泡ではなく、排尿してしばらく時間が経過してもなお泡が消えないケースです。
これは尿中のたんぱく質の量と関係しているからです。(ネフローゼ症候群)
その原因は主に腎臓や糖尿にあると考えられています。
尿蛋白イコール病気ではない
激しい運動の後や高熱を伴う風邪などでも一時的に腎機能が低下して尿たんぱくが陽性になる場合があります。
特に若い人で尿たんぱくが陽性となりやすい症例があります。
まとめ
排泄物は現在の健康状態を手軽に知ることができる健康のパロメーター(指標基準)です。
健康管理は自己管理、自身の通常を把握してはいかがでしょうか?
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