認知症者への基本対応
- 受容(否定しない、認知症者の世界観を受け入れる)
- 傾聴(自分のききたいことではなく、相手が話したいことを聞き出す)
- 怒らない(自己覚知によるアンガーマネジメントで対策)
トイレの便器に服をつけていた事例:
ある夜、トイレに行くと母親が便器で服をつけて遊んでいるのを発見する。
トイレの便器に服をつけていた原因:
・恥ずかしさ
「周囲の人に尿を漏らしたということを知られたくない」ので、自分で何とか始末しようとしていた。
・習慣
汚れたものは洗う
・失行
認知症の進行にともなって出てくる中核症状の1つです。脳の運動野の障害によって起こるもので、運動機能や骨、関節、神経などには問題はないのに、やりなれているはずの行為ができなくなります。認知症への理解がないと「何でできないの」「何でやらないの」となってしまいます。
どのように処理をすればよいのか判断ができなくなり、結果的に適切ではない行為をしてしまう。
トイレの便器に服をつけない対策:

ただちにやめてほしい気持ちで一杯ですが、「だめです、やめてください」など制止する言葉は良くありません。
自分で解決しようと努力した結果ですので、まずはその経過を認め、ほめたり、感謝をしてみましょう。
認知症と言う病気のせいで今まで普通にできていたものが、できなくなるのです。
このからくりを頭では理解できても気持ちで追い付くには時間がかかります。
あまり気負いせず、のんびりと介護しましょう。
まず認知症の人が何をしたいのかを考えることが大事です。きれい好きな方でしたら、お気に入りの大事な服が汚れたので、自分で洗っているのかもしれません。
また無理矢理に服を取り上げると叩くなどの抵抗があるかもしれません。
「何をしているんですか?」
「汚れたんですか?」
「洗ってくれてるんですか、ありがとうございます。」
「洗濯機できれいにしましょう。」
「疲れたでしょう、あとは私が洗うからお母さんはゆっくり休んでくださいね。」
また24時間見守りはできませんが早期発見で対応してあげてください。
混乱している状態が長時間続くと精神的にも負担が増え、認知症の進行もさらに加速していきます。
認知症対応のポイント:
・失禁対策
紙おむつにする
就寝前に排泄を促す
・掃除をしやすい工夫
トイレは毎日清潔にしておく
トイレ内には触られても良いものしか置かない(洗剤などは別の場所へ移動)
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