カーテン越しに人が見える

認知症者への基本対応

  • 受容(否定しない、認知症者の世界観を受け入れる)
  • 傾聴(自分のききたいことではなく、相手が話したいことを聞き出す) 
  • 怒らない(自己覚知によるアンガーマネジメントで対策)

幻覚・幻視の事例:

認知症のAさんは「ベッドの下に赤ちゃんがいて、赤ちゃんが泣いている」、「部屋の隅に人が立っている」、「床に蛇がいる」などよく言われます。

今日もAさんのお部屋に見に行ったのですが、子どもたちはどこにもいません。

「子どもたちはいませんよ」と伝えても、Aさんは「ほら、そこにいっぱい子どもたちがいるじゃないか!お菓子でもあげてくれ」と言われてまったく納得されません。

幻覚・幻視の原因:

・レビー小体型認知症でよく見られる症状のひとつです

後頭葉の働きが悪くなっています。後頭葉は見たものが何であるかを判断する場所です。そこの場所の機能が悪くなるため、幻覚が生じやすくなると考えられます。

幻覚・幻視の対応:

「子供はいない」と完全に否定することは良くありません。

ご本人の脳内では子供たちが見えているように情報処理がなされていますので、本人にとっては子供達がいるのが現実です。

それを否定することは、私を信用してくれない人なんだ、と人間関係に支障をきたします。更には、症状の悪化にもつながりますので注意が必要です。

まずは危険でないことを伝えましょう。安心させるなど、ご本人の恐怖や不安をどう取り除くかを考えた対応がベストです。

また、暗いところで起きやすい症状のため、部屋の照明を明るくし、見通しよく片付けておくのも効果的です。

さらに幻視の場合は、本人や周囲の人が近づいたり、触れたりすると消えると言われています。

「どんな子供たちですか?」

「何人いますか?」

「何色の服を着ていますか?」

認知症対応のポイント:

・幻覚は妄想との合併で現れることがある

赤ちゃんがベットの下で泣いて、部屋の中が水で一杯になっている。

・幻覚は同調せずに、傾聴すべき

否定はしない

不安を取り除く

・錯覚事例

壁にかけた服が人に、延長コードが蛇に見える錯覚

錯覚(誤認)といった見間違いも症状の1つです。錯覚は、レビー小体型認知症の方の5割以上に現れるとされています。

  • ハンガーにかけてある洋服を人間に見間違える
  • 壁紙の模様を人間の顔に見間違える
  • 床の模様が虫と見間違える
  • 水道のホースを蛇に見間違える

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By なら

介護業界で15年ほど勤務、近年はベトナムの介護施設で管理者として働く。奥様はベトナム人、息子一人。ベトナム語を勉強し、幾度も挫折を繰り返し復活しています。

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