認知症者への基本対応
- 受容(否定しない、認知症者の世界観を受け入れる)
- 傾聴(自分のききたいことではなく、相手が話したいことを聞き出す)
- 怒らない(自己覚知によるアンガーマネジメントで対策)
興奮・攻撃的な事例:
70歳男性のAさんは老人ホームに入居して3か月が過ぎます。
他の入居者やスタッフと共に過ごすことを好まず、話しかけられると「うるさい、黙れ、馬鹿野郎」とののしられます。
また、入居者同士の会話に「うるさい、静かにしろ」と杖を振り上げることもありました。
夕方になると出口を探し、ドアノブをガチャガチャと音を立てて開けて出ていこうとします。
興奮・攻撃的の原因:
・認知症の症状
認知症を発症すると脳の機能が低下して感情のコントロールができなくなります。
感情の抑制を司る前頭葉の障がいにより、少しのストレスを感じただけでも感情が爆発してしまうのです。(ピック病が代表)
・本人の気持ち
環境の変化により不安定
便秘や寝不足でイライラ
本人の希望ではないのに周囲からの無理強い
自尊心の傷つき
・薬の副作用
普通なら暴力がダメという理性が働きますが、思考力を奪われますので、嫌なことがあれば、安易に暴力という行動で表現をしてしまいます。我慢や言葉で表現が難しくなります。
興奮・攻撃的の対応:
まずは怒りの原因を探してみましょう。
性格的なものか病的なものかで対応方法が大きく異なります。
相手が興奮しているときに大きな声で注意されると恐怖心を感じさらにパニックになってしまうこともあるので、「冷静に落ち着いて」対応しましょう。
認知症の症状を逆手にとって、記憶を忘れるので「時間をおいて再度かかわる」ことが大切です。
一般的にAさんのような入居者を対応するのは嫌がられますよね。
しかし、逃げないでください。
ほったらかしは放任主義(ネグレクト)で虐待ですよ。
まぁ、虐待とかどうでも良いのですが、私はAさんタイプの人間なので気持ちがなんとなく分かるので感情が出てしまいました。
ただ、私も仕事だから諦めず関りを持とうとしますが、プライベートでは、できるだけ人との関わりを持たないように努力をするような人間です。(申し訳ありません)
話を戻しますが、
人間関係というものは距離を縮めるには関係性を持つしかありません。
何もしない離れた状態では、平行線、もしくは一方的に悪化していきます。
ですのでその人が落ち着ける居場所を見つける助けをしてください。
Aさんの気持ちに寄り添うということはAさんの気持ちを代弁することです。
Aさんをどれだけご存知ですか?
認知症対応のポイント:
・注意をそらす手段を見つけておく
日ごろからご本人が没頭できる作業(編み物やパズル・塗り絵など)
・場面転換
認知症の症状の判断力低下を逆手にとった対策で、環境を変えることで嫌な気分を一掃させることができます。
場所を移動
対応する人間を変える
まとめ
施設ですのでチームケアの統一ができるまでかなりの時間を要すると思いますが、楽しみながら介護ができると良いですね。(Aさんの症状が良くなっていくなど、結果が目に見える)
怒るだけが興奮ではありません。
「殺される」
「誰か助けて」などと叫ぶことも興奮の種類(強迫観念)です。
対応を考えてみてください。
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