認知症ケアが上手な人が行っているコミュニケーションの行動はたくさんあります。
逆に認知症ケアが上手な人に共通する行っていないことがいくつかあります。
今日お伝えする5点を覚えて実践できれば、認知症者は精神的に安定した毎日を過ごすことができるはずです。
少しずつ自分のできる範囲から取り入れてみてください。
認知症者にやってはいけない不適切な対応
- 1,行動や考えを否定すること、叱る
- 2,どうせ忘れるからと、嘘をつく
- 3,さっきも聞いたと返事をする
- 4,認知症者を子ども扱いする
- 5,認知症者の行動を制限する
もし上手に介護をしたいなら【認知症9法則と1原則】を覚えておきましょう。
1,行動や考えを否定すること、叱る
認知症の利用者さんから自分の子どものように接してこられたり、利用者さんが不適切な行動をとってしまうことがあったりしませんか?
そういった場合「私はあなたの子供じゃない」や「ダメ、触らないで」など、頭ごなしに否定をしたり叱ったりすることに意味はありません。
かえって本人を困惑させてしまったり本人の羞恥心やプライドを傷つけてしまったりすることになります。
認知症の症状が進行しても本人の羞恥心やプライドは変わりません。
その点を理解して尊厳を守ることが重要です。
またプライドを傷つけることは精神的な混乱を招きますので、行動を抑制するなど周辺症状が現れる可能性があるので注意が必要です。
2,どうせ忘れるからと、嘘をつく
介護の現場において認知症を持つ利用者さんに対して嘘をついて対応してしまうことがあると思います。
ですがやはり、嘘は人をだます行為ですので介護の対応としては不適切となります。
認知症の方でもまったく、全ての短期的な記憶を忘れているのか?というと、そんなことはないと思います。
もし覚えていた場合、この人はうそつきだと思われてしまいその後の関係が悪くなってしまいます。
またいわゆる問題行動をする方も何かしらの理由があるはずです。
その原因を特定して解決してあげることで、そういった行動も減っていくと言われています。
3,さっきも聞いたと返事をする
認知症の方で自分自身が認知症であるということを理解していることがあります。
そういった方のことを是非想像してみてください。
忘れていってしまう恐怖
大切なことを忘れたのでは?と考える不安
同じことを何度も言って周囲に迷惑をかけているのでは?という罪悪感。
こういったものに相当悩んでいるのではないでしょうか?
そんな人たちに”さっきも聞いた”と言うのはどうでしょうか?
心に傷を負ってもおかしくはないですし、心が耐えられずうつ病になる方もいらっしゃいます。
ですから、介護者としては何度も同じことを聞かれて大変なのですが、何度でも同じ対応を繰り返していただくことは適切な行動となります。
4,認知症者を子ども扱いする
認知症の方は、先ほども言った通り自尊心やプライドを失っているわけではありません。
認知症になってできない事が少しずつ増え、ご自身が一番つらい思いをしているはずです。
ぜひ、尊厳を持った態度で接するようにしましょう。
5,認知症者の行動を制限する
行動を過度に制限することは虐待とも捉えられることがありますので行わないことが基本です。
例えば認知症の方の徘徊は周囲にとってはなかなか意味が分からない行動です。
夜中は眠って欲しいのですが家の中をぐるぐると何かを探すように歩き回られますね。
しかし本人にとっては何かしらの意味(動機)があると言われています。
”行動を制限する”不適切な行為をする前に、どうしてそのような行動をするのかを相手の立場に立って考えるようにしてみてください。
まとめ
不適切な対応5選ですが、「基本はそうだけど現実問題そうはうまくいかない」ということも多いと思います。
周辺症状の改善事例シリーズ記事でより詳しく解説していますのでそちらも参考にしていただけるとうれしいです。