食事介助の拒否

認知症者への基本対応

  • 受容(否定しない、認知症者の世界観を受け入れる)
  • 傾聴(自分のききたいことではなく、相手が話したいことを聞き出す) 
  • 怒らない(自己覚知によるアンガーマネジメントで対策)

介護拒否事例:

Aさん83歳男性、会社を経営していましたが、今は引退しています。

認知症のためか1人でご飯を食べることができません。

ある日Aさんの奥さんが食事介助をしていると、口元に来たスプーンを手で払いのけ、突然大きな声を出し怒り始めました。

私の対応が悪かったのかその日は、コップや食器を投げつけられました。

体には当たらなかったのでけがはないのですが、精神的にとても落ち込みました。

介護拒否の原因:

・認知症の症状

認知症を発症すると脳の機能が低下して感情のコントロールができなくなります。

感情の抑制を司る前頭葉の障がいにより、少しのストレスを感じただけでも感情が爆発してしまうのです。(ピック病が代表)

・介助の方法が不適切

介護者の行いが攻撃のように感じることがあります。

認知症の人は視野が極端に狭くなります。何も言わず食事介助していると、突然目の前に手やスプーンが現れると身の危険を感じ驚いちゃいますね。

・薬の副作用

普通なら暴力がダメという理性が働きますが、思考力を奪われますので、嫌なことがあれば、安易に暴力という行動で表現をしてしまいます。我慢や言葉で表現が難しくなります。

介護拒否の対応:

食事介助をしてもらう

介護拒否は介助者にとって問題ではあるが、視点を認知症者に向ければ、介護を拒否しなければならない理由があるはずです。

介護拒否は自己防衛であり、ケアを受ける側が、ケアという行為を自分に及ぶ危害と感じてしまっている可能性があります。

介護拒否の多くは、不安からくるものです。本人が安心できるように工夫してあげると、多くの場合は症状も収まります。

介助をする際は、「何のために何を行うか」をわかりやすい表現で説明しましょう。本人が納得できれば症状も解消されるはずです。

まずは食事介助の方法を見直してみましょう。

適切な声かけを行っていますか?

相手はモノではありません人間ですので、関係性を築くには必ず説明と同意というプロセスがなければなりません。

もちろん同意がなければ、無理やり食べさせるとそれは虐待になるでしょう。

ですので、この場合は

「お肉から食べましょう」

「次はご飯食べましょう」

「お味噌汁も飲んでくださいね」

「味はどうですか?」

「もっと食べますか?」など

コミュニケーションをとりながら介助をする必要があります。

つまり、相手のペースに合わせた介助をしてください。

相手が攻撃的になるのは、介護者の行いが攻撃のように感じたり、今の気持ちを上手く言葉で表せなかったりするためです。

自分が攻撃されていると感じるため、抵抗し攻撃に出てしまうのです。自尊心を守るための自衛的行為ともいえます。

したがって、叱ったりはせずに、気持ちを落ち着かせるようにしましょう。

それでも興奮が収まらない場合は、何を言っても逆効果になってしまうこともあるので、一旦距離を置き、危険な行動をしないか見守りましょう。

「認知症だから何もできないだろう・わからないだろう」という誤った思い込みにより、誤ったケアを行っている可能性があります。

・服薬治療

漢方で抑肝散というものがあります。即効性はありませんが、多くの人に効果があり、以前よりも落ち着いたと口コミがあります。

生命の危険性や過剰な暴力がある場合は向精神薬

認知症対応のポイント:

怒られておびえている高齢者

NGな行動

  • 「どうしてそんなことをするの!?」と口論をする
  • 力づくで押さえつける
  • 大きな声を出して叱りつける
  • だます・欺く
  • できることをさせない
  • 子供扱い
  • 怖がらせる
  • 脅す・強制させる・無理強いさせる
  • 非難する
  • 区別する・差別する
  • 急がせる

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By なら

介護業界で15年ほど勤務、近年はベトナムの介護施設で管理者として働く。奥様はベトナム人、息子一人。ベトナム語を勉強し、幾度も挫折を繰り返し復活しています。

2 thoughts on “周辺症状の改善事例 No6 ~介護拒否~”
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